【Unit7 ブログリレー6日目】
こんにちは。エンジニアリンググループ プロダクトマネージャーの海野尾です。
Unit7に所属し、主に医師向けのアンケート/インタビューサービスのプロダクト開発に取り組んでいます。
私は2024年10月にエムスリーに入社しました。前職はIT企業でクラウドサービスの顧客提案・導入支援に携わっており、プロダクトマネージャーは今回が初挑戦になります。
気がついたらあと少しで1年が経過しようとしており、時間の経つスピードの早さに驚いていますが、この節目にこの1年間で得られた学びを振り返りたいと思います。

(素敵すぎてAIが生成したように見えますが、実際の景色です)。
はじめに
私はUnit7で複数のプロダクトを担当し、日々プロダクト開発に奮闘しています。本記事では、そのうちの1つのプロダクトを取り上げます。
このプロダクトは、Unit7のPdMかつ私のメンターでもある阪口の構想をもとに、ユーザインタビューによる仮説検証のフェーズから担当したものです。
具体的には、次のプロセスを推進してきました。
- 仮説検証:ユーザーインタビューの実施
- MVP開発:スコープ策定と開発推進
- リリース準備:価格体系の策定、利用規約の調整、運用フローの設計
- 市場投入:営業チームと連携した提案活動と受注獲得
周囲の多大なサポートを得ながら、プロダクトマネジメントの教科書通りとも言えるこの一連の流れを1年目で経験できたのは、大きな財産だと感じています。
本記事では、この経験から得られた学びを紹介したいと思います。
学びの源泉はユーザーの声にある
今回のプロセスを振り返ると、プロダクト開発に活かせる重要な学びのほとんどが、ユーザーから直接得たフィードバックによるものでした。
例えば、初期のユーザーインタビューを通じて、クライアントがプロダクトを利用する機会が複数のパターンに分類できることが分かりました。これは当初想定していなかった発見です。この結果に基づいて、適切な優先順位でプロダクト開発を進めることができました。
また、利用後のヒアリングでは、「この機能が実装されたら、追加費用を払ってでも使いたい」という熱量の高い意見をいただくことができました。これは、今後のアップセル戦略にも活かせる貴重なフィードバックです。
プロダクト開発では、議論しやすく進捗も目に見えやすいUIや機能といったソリューションに、どうしても意識が集中しがちです。しかし、それこそがユーザーの課題から目を逸らしてしまう罠でもあります。このバイアスを乗り越え、常に顧客視点に立ち返るために、ユーザーとの接点を増やし一次情報に触れ続けることが不可欠だと学びました。
そして、質の高いユーザーフィードバックを効果的に得るために、特に有効だと感じた2つの取り組みを紹介します。
工夫(1):MVP開発はスピードを最優先する
1つ目は、MVP(Minimum Viable Product)開発において「スピード」を最優先したことです。開発スピードを早めることで仮説検証のサイクルを多く回すことができ、プロダクトの方向性が誤っていた場合も早期に修正できます。これは、入社直後のCPO山崎との1on1で「プロダクトのリリースは限界まで早くすることが大切だ」というアドバイスをいただいたことで、強く意識していた部分でもあります。
今回、MVP開発のスピードを最優先するため、要件定義の段階で「プロダクトのコアな価値提供に必須である機能」に絞り込むことを意識しました。メンターの阪口やエンジニアメンバーと共に、コア価値に直結しない機能は思い切ってスコープから外しました。
また、開発を進める中で見つかった追加要件についても、スコープを絞ることを意識していたので、「今回のMVPでは見送り、まずは手動オペレーションで対応する」という意思決定ができました。
こういった取り組みの甲斐もあって、無事に目標としていた3ヶ月でMVPの開発を完了し、早期にプロダクトの価値を検証する機会を得ました。そして、実際にプロダクトを利用したユーザーからは高い評価をいただくことができ、「プロダクトの方向性が間違っていない」という重要な確信に繋がりました。
工夫(2):「作る」だけでなく「届ける」まで責任を持つ
2つ目は、開発だけでなく、プロダクトを「届ける」プロセスまで責任を持って関わったことです。
プロダクトのリリース後は、営業チームに同行して提案活動にも参加し、お客様へ直接プロダクトの紹介やデモを行いました。
特に、営業チームに同行し自ら提案やデモを行うことに関しては、メンターの阪口が実践していた「プロダクトマネージャー自身が売る」という姿勢に強く影響を受けたものでもあります。
商談でのデモは、ユーザーにプロダクトの価値を伝える絶好の機会だと考えます。プロダクトの価値を深く理解しているからこそ、単に機能を順に紹介するのではなく、ユーザーにとって価値があるポイントを訴求できます。
正しく価値を伝えることによって、ユーザーの課題解決のイメージが具体的になり、「もっとこうだったら」という建設的で質の高いフィードバックに繋がります。それがプロダクト改善の大きな推進力になるはずです。
これからはプロダクトをさらに拡販していくフェーズになりますが、一次情報の宝庫である商談の場には、今後も積極的に参加していきたいと考えています。
今後の取り組み
幸いなことに、リリースしたプロダクトは好評をいただき、複数のクライアントにリピートでご利用いただいています。今後はこの勢いをさらに加速させ、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成すべく、ユーザーからのフィードバックをもとに高速な改善サイクルを回していきたいと思います。
まとめ
今回の記事では、駆け出しのプロダクトマネージャーである私がプロダクト開発の実践を通じて得た学びを紹介しました。私と同じようにプロダクトマネジメントを学んでいる方や、これから挑戦したいと考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
また、この記事を書きながら、改めてエムスリーの成長環境としての素晴らしさを実感しました。数多のプロダクトと圧倒的なビジネススピードの中で、数多くの打席に立つ機会が与えられ、実践を通して学びを蓄積できます。
この記事を読んで、エムスリーでのプロダクト開発に少しでも興味が湧いた方は、ぜひ以下のページからお気軽にご連絡ください!
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