こんにちは。Speeeデジタルトランスフォーメーション事業本部 (以下、DX事業本部)で事業部長を務めています、上野です。
2016年に新卒で入社し、気づけば10年目になりました。私の密かな自慢は、物心ついてから一度も熱を出したことがなく、無欠席を20年以上続けていることです。「健康な人に」との願いを込めて「健人(けんと)」と名付けてくれた両親には、本当に感謝しています。そんな元気が取柄な私がいま最もワクワクしている挑戦が、今回お話しするテーマになります。(Techブログは初投稿ですが、最後までお付き合いください)
先日、Speeeは「Speee、リフォーム・不動産DX領域においてAI時代の新コンセプト『産業AX(AIトランスフォーメーション)』を策定し、住まいの情報インフラを革新する10の挑戦を始動。」というリリースを発表しました。
ここ1年のAIの進化は凄まじく、「歴史的なチャンスが来た」と興奮しています。AIは、私たちが長年挑んできた課題を解決する、まさに“切り札”になると確信しています。本記事では、この挑戦の核となる「AI戦略」について、私の想いをお話しします。
30兆円市場に眠る、巨大で刺激的な「機会」
約30兆円。これは、私たちが挑む不動産・リフォーム・医療介護という巨大産業の市場規模です。しかし、その巨大な価値流通の裏側で、深刻な「歪み」が生まれています。生産性は伸び悩み、旧来の構造が変革を阻んでいるのです。
その結果として、840万戸の空き家問題、約6,000万戸の住宅ストック活用不全が引き起こす580兆円規模の経済損失、不透明な多重下請け構造、災害復興の遅れ、老朽化するインフラなど、社会問題と呼ぶべき課題群が顕在化しています。
一見すると別々の問題に見えるかもしれません。しかし私は、これら全てが「住まい」という領域の危機に繋がっていると考えています。
大学時代、資源・環境・土木・都市計画を専攻した私は、地震国ならではの耐震技術や、職人文化が宿る建築物、安全なインフラ技術といった日本の「住まい」の素晴らしさを肌で感じてきました。だからこそ私たちの取り組みは、単なる個別課題の解決ではなく、世界最高水準と評価される日本の「住まい」を、未来へ引き継いでいく挑戦なのです。
しかし、インターネットが生まれて30年、その恩恵を大きく受けてきたのは情報産業であり、私たちが対峙しているのは一筋縄ではいかない「リアル産業」です。
だからこそ、以下のような根深い課題が手付かずのまま残されています。

エンジニアの皆さんなら、この状況がどれほど刺激的な「機会」であるか、すぐに理解できるのではないでしょうか。
レガシー産業こそ、AIとの相性が抜群に良い理由
この巨大な課題群を前にしたとき、業務単体の部分的なDXでは不十分です。
私たちが目指すのは「DX Level3」──産業全体のバリューチェーンを、デジタルを前提とした形に書き換えていくこと。まさにトランスフォーメーションを伴う、真のDXです。
是非詳細はこちらをご覧ください。
そして、その実現の鍵こそが、AIの存在を前提に、産業構造をリデザインする「AX(AI Transformation)」によって実現できると確信しています。
なぜ、レガシー産業とAIの相性が抜群に良いのか。
それは、この産業が「人間同士の複雑なコミュニケーション」と「構造化されていないアナログなデータ」の塊だからです。
- 自動化を余儀なくされている慢性的な人手不足
- 職人の頭の中にしかない暗黙知
- 膨大な書類や図面に眠る非構造化データ
- 消費者体験のなさによる情報の非対称性
- 複雑な商習慣によって成り立つサプライチェーン
これらこそ、まさにAIがその真価を最も発揮できる領域です。AIの力でこれらの「知」を形式知化し、産業全体を一つのなめらかなAPIで繋がれたOSのように進化させる。社会のOSを丸ごと入れ替えるような、壮大な挑戦です。
具体的なアプローチも3つ挙げると
①AIエージェントを使った生産人口減少問題への対応
単なる機能提供では駄目で、今後10年で訪れる供給数半減に対応するため産業全体労働の半分をAIエージェントによって自動化していきます。
現在多くの時間を費やしている見積もりや書類作成を自動化するのは勿論、顧客への自動追客、図面を読み込んだ自動積算、移動ルート最適化、多能工職人育成の自動化、外国人労働者受け入れのための同時通訳などやるべき事は沢山あります。
②非構造化データxAIによるマッチング不全の解消
あらゆるサプライチェーンに眠るデータの収集を行い、すべての経済活動をソフトウェアで代替可能な状態へと変革します。
施工動画による品質管理、職人稼働の可視化による稼働率向上、ユーザークチコミによるレーティング等データ収集フローとAI技術による最適化を進めていきます。
③業界特化AIアシスタントによる情報の非対称性によるユーザー体験棄損の解決
ユーザーと事業者の間にある専門知識の断絶を、コミュニケーションを代行するAIが媒介することで解消しています。AIによる高度な情報処理とパーソナライズされた提案により、ユーザー体験を根本から向上させ、透明で公正な取引を実現します。
どれか1つだけでは不十分で、この3つが全て成功してこそ真のAXになると考えています。

AIへの「本気の投資」と、未来を創る仲間への約束
この壮大なビジョンは、絵に描いた餅では意味がありません。
私たちは、この産業変革を実現するため、AIに対して本気で投資をしていきます。
すでに、消費者が求める物件提案をするための物体検出アルゴリズムの開発、生成AIを活用したカラーシミュレーションや自動積算を実装したソフトウェアの開発と提供、PdMはAIでプロトタイプを即日実装し、エンジニアは本質的な技術課題に集中する組織体制への移行など、複数の挑戦が同時多発的に始まっています。
私たちが求めているのは、単なる「AIツールを使いこなす人材」ではありません。
AIの進化を前提とした上で、
「プロダクトの形はどうあるべきか?」
「事業の進め方、人の働き方はどう変わるべきか?」
という問いそのものを、私たちと共に考え、事業を、そして未来を創造していける仲間です。
カオスの中心で、未来を引きよせる熱量を
レガシー産業に10年以上挑んできた業界理解とNo.1プロダクト群、創業以来の事業開発力、そして未来へのAI戦略と本気の投資。Speeeだからこそ揃えられた最高の環境があります。
ただこの挑戦は、まだ始まったばかりです。
正直に言うと、新規サービスの開発に、まだ組織が追いついていません。経営、事業開発、マネージャーなど、あらゆるポジションが絶賛募集中です。
だからこそ、面白い。
今この船に乗ってくれる仲間は、間違いなく事業の根幹を担うコアメンバーになります。
私たちが大切にしたいのは、完成されたスキルセット以上に、この巨大な課題を前に「面白そうだ」と笑える好奇心と、カオスの中から自ら仕事と構造を作り出していくオーナーシップです。
「解き尽くす。未来を引きよせる。」
このSpeeeのミッションを、日本の最先端の課題のど真ん中で、共に体現しませんか?
この記事を読んで、少しでも興味が湧いたなら、ぜひ一度カジュアル面談という形でお話ししましょう。
新しい挑戦を共有できる仲間として、あなたにお会いできることを待っています。
▼YOUTRUST
▼Pitta
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