「AIエージェントキャッチアップ #49 – Byterover Cipher」を開催しました

ジェネラティブエージェンツの大嶋です。

「AIエージェントキャッチアップ #49 – Byterover Cipher」という勉強会を開催しました。

generative-agents.connpass.com

アーカイブ動画はこちらです。

www.youtube.com

Byterover Cipher

今回は、コーディングエージェント向けのメモリーレイヤー「Byterover Cipher」をキャッチアップしました。

CipherのGitHubリポジトリはこちらです。

github.com

公式ドキュメントはこちらです。

docs.byterover.dev

今回のポイント

Byterover Cipherとは

Byterover Cipher(以下Cipher)は、コーディングエージェント向けに設計されたメモリーレイヤーのOSSです。

MCPで接続することで、Claude Codeなどの各種コーディングエージェントで使用することができます。

Cipherのメモリシステム

Cipherのメモリシステムは、4層のストレージアーキテクチャと3種類のメモリシステムで構成されています。

docs.byterover.dev

4層のストレージアーキテクチャ

  1. キャッシュ層:一時データやキャッシュのための高速な揮発性ストレージ
  2. データベース層:永続的なデータのための信頼性の高いストレージ
  3. ベクトルストレージ層:意味検索のための高次元ベクトルストレージ
  4. ナレッジグラフ層:エンティティの関係の管理のためのグラフデータベース

3種類のメモリシステム

  1. ナレッジメモリ(Knowledge Memory):ナレッジメモリは、会話から抽出された事実情報、技術的概念、および分野固有の知識を保存します。埋め込みベクトルによる意味検索に使用します。
  2. リフレクションメモリ(Reflection Memory):リフレクションメモリは、エージェントの思考プロセスと意思決定パターンを記録し、パターン認識を通じて継続的な学習と改善を可能にします。
  3. ナレッジグラフ(Knowledge Graph):ナレッジグラフは、エンティティ間の関係をモデリングし、ナレッジベースに対する複雑なクエリや深い理解を可能にします。

CipherをCLIで動かしてみた

Cipherはnpmパッケージとして提供されており、以下のコマンドでインストールできます。

npm install @campfirein/cipher

.envファイルにOPENAI_API_KEYを設定したうえで以下のコマンドを実行すると、Cipherが起動しました。

npx cipher

「こんにちは」などの入力に対して、AIが応答を返してきます。

Cipherには、記憶管理のためのエージェントが実装されていて、他のエージェントから呼び出すことを想定されているようです。

Web UIの起動

Cipherでは、以下のコマンドでWeb UIを起動できるとのことです。

npx cipher --mode ui

残念ながら、今回試した範囲ではうまく動作しませんでした。

MCPサーバーとしての設定

Cipherは、MCPサーバーとしてコーディングエージェントから使用できます。

Claude Codeで使用するため、mcp.jsonに以下のように記述しました。

{
  "mcpServers": {
    "cipher": {
      "command": "uv",
      "args": [
        "--directory",
        "/workspaces/workspace",
        "run",
        "dotenv",
        "run",
        "npx",
        "cipher",
        "--mode",
        "mcp"
      ]
    }
  }
}

uv --directory /workspaces/workspace run dotenv runの部分は、python-dotenvを使用して.envファイルを読み込むための記述です。

この状態でClaude Codeを起動すると、ask_cipherというツールが利用可能になります。

コーディングエージェントはask_cipherツールを使用して、Cipherのエージェントに対して情報の保存や検索を依頼することができます。

Aggregator Mode

CipherをMCPサーバーとして使用する際、以下の設定を追加すると「Aggregator Mode」となります。

      "env": {
        "MCP_SERVER_MODE": "aggregator"
      }

Aggregator Modeでは、もともとCipher側のエージェントが使用可能なツールが、MCPクライアント側のエージェントで使用可能になるようです。

次回のご案内

以上、今回は「Byterover Cipher」をキャッチアップしました。

次回は「AIエージェントキャッチアップ #50 – MCP Registry」ということで、App StoreのようにMCPサーバーを提供する仕組みがテーマです!

generative-agents.connpass.com

ご興味・お時間ある方はぜひご参加ください!

また、その次の回以降のテーマも募集しているので、気になるエージェントのOSSなどあれば教えてください!




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