iOSDC Japan 2025 参加レポート – STORES Product Blog

こんにちは、STORES でモバイルアプリを開発している nekowen です。

まずは iOSDC Japan 2025、お疲れ様でした!今年は STORES から 総勢20名のメンバーが参加し、登壇・ブース出展、スタッフ活動など様々な形で取り組みを行いました。

この記事では、取り組んだ内容や、印象に残ったセッションについて書いていきたいと思います。

iOSDC Japan 2025 とは

iOS に関連した技術をテーマとしたエンジニア向けのカンファレンスです。

今年は9/19(金) 〜 9/21(日)の3日間、有明セントラルタワーホールで開催されました。

iosdc.jp

取り組んだこと

ブース出展

昨年に引き続き STORES はゴールドスポンサーとして iOSDC Japan 2025 に協賛しており、ブースを出展しました。

ブースでは、STORES の新プロダクトであるモバイルオーダーの展示やデモを行いました。

デモを触っていただいた方にはノベルティとして STORES をご利用中のオーナーさまの商品である「つばめようかん」をプレゼントさせていただきました。

また会期中は、たくさんの来場者の方がブースに来てくれました。皆さまありがとうございました!

ランチ会の開催

Day 1 のお昼の時間帯に、会場近くの飲食店で STORES 主催のランチ会を開催しました。

多くの iOSDC 参加者とともに技術トークや雑談で盛り上がりました。

ご参加いただいた皆さまありがとうございました!

hey.connpass.com

hey.connpass.com

登壇

今年は STORES から過去最多の 9名が登壇しました。
各セッションのスピーカーから、登壇した感想・コメントをいただいたので紹介したいと思います。

Day 0

AccessorySetupKitで実現するシームレスなペアリング体験 / nekowen

Bluetooth のペアリング体験をAccessorySetupKit というフレームワークで改善しよう!というお話をしました。
AccessorySetupKit は実はまだあまり広く知られていないフレームワークでもあるので、Bluetooth デバイスに触れる方はぜひ触ってみてはいかがでしょうか?

アセンブリで学ぶCPUアーキテクチャ / akkey

iOS や Swift の話題がほとんど含まれない、アセンブリだけを扱ったセッションでしたが、想像以上に多くの反響をいただき、とても嬉しく思います。
よく「アセンブリを書くお仕事をされている(されていた)のですか?」とご質問をいただくのですが、これは完全に趣味として学んできたものです。

「あ〜、大学で勉強したあの知識とここでつながるのか!」と、青春時代を思い出す楽しさもありました。

Day 1

レシート印刷が途中で止まる?Stream APIとBluetooth接続のルールを守って楽しくレシートプリンターで印刷しよう! / satoryo

初めて iOSDC Japan で登壇しました!SDKを使わずにレシートプリンターの印刷処理を実装する話とその失敗談というテーマでした。

40分トークだったので資料や話の構成にかなり苦労しましたが、当日はトラブルもなく無事に終えることができました。レシート印刷の魅力やこだわりについて感じていただけたら幸いです。

トークを聴いてくれた皆さんありがとうございました!

商品がスキャンできない!ちょっとおバカな Vision フレームワーク (ルーキーズLT)/ Yu Takahashi

iOSDC では初めての登壇でした!皆さん、バーコードは目で読めるようになりましたか??今回の LT で少しでもバーコードに興味を持っていただければ幸いです!

さすがに機材トラブルとかは引かないだろう…と思っていたら引いてしまいました 😇 めちゃくちゃテンパってしまったのでこういう時のトーク力を付けたいです笑

WebKit のバグ修正に挑戦してみた (ルーキーズLT)/ Megabits

Keynote のタイマー設定間違って 5 分を 5 時間にしちゃって、時間感覚が崩れて、死ぬかと思いました😇(平気な顔をしていますが)

Day 2

CryptoKit ではじめる暗号技術 – メッセージ認証コード編 / 栗山徹

多くの方に集まっていただけてとても嬉しかったです(とても緊張しました)。

発表を振り返ると、だいぶ内容を詰め込んでしまったなと反省しつつ、普段使っている技術の仕組みを理解することの大切さ(発表は暗号技術がテーマですが、発表の前半は割と普遍的な話だったと思っています)や CryptoKit の書き心地の良さが少しでも伝えられていたら幸いです。

余談ですが、今回ニコ生で子供達が自分の発表を見てくれていたみたいで、「質問がある方〜」と言う司会の方のコールに対して、画面越しに「はーい」と精一杯手を挙げてくれていたと聞いてほっこりしました。

その課金処理は安全だと思った? – 課金バイパスの実例と対策 (LT)/ Soh Satoh

セキュリティに興味をもっていただきたい、という思いで話しました!

かなり駆け足でしたが、セキュリティに目を向ける機会になれば幸いです。とはいえ5分は無謀でした。

もし興味をもっていただけたら、 スマホアプリの脆弱性診断って何するの?(iOS編) や、昨年登壇時の ゼロから始めるiOSセキュリティ ~ OWASP Mobile Top10から学ぶ脆弱性対策 も読んでみてください!

見ないで!Focus Filterで守る自作ブラウザの黒歴史 (LT)/ marcy731

ネタ枠的なトークでしたが、いろいろ反応いただけて嬉しかったです。

FocusFilter自体は上手に使えばとても良い機能なのですが、現状だと実装しているアプリはあまり多くありません。

本トークで少しでも興味を持っていただけましたら幸いです。

このAPI、許可がいるの? (LT)/ いわい

ドラ&乾杯ができて嬉しかったです!カンパイ!!!🍻

アンカンファレンス

去年のiOSDC Japan 2024ではプロダクトコードの一部をお見せする「コード見せます会」をやりましたが*1、今年は少し変えて、座談会形式として学生同士のコミュニケーション、Kotlin Multiplatform(KMP)/Compose Multiplatform(CMP)、生成AI活用の3つのテーマでそれぞれ30分ほどアンカンファレンスを実施しました。

どのアンカンファレンスもたくさんの方に来ていただけました。ご参加いただいた皆さまありがとうございました!

STORES メンバーのスタッフ活動

STORES メンバーである huin, いわい が運営スタッフとして参加しました。3日間お疲れ様でした!

印象に残ったセッション

iOSDC Japan 2025 では三日間を通してたくさんのトークが行われました。その中でも印象に残ったセッションをいくつかご紹介します

enomoto

メモリ不足との戦い〜大量データを扱うアプリでの実践例〜

ペイントソフトというプロダクトの性質上、メモリ管理に気を遣う必要があるのは想像がつきましたが、この解決策として、カーネルのコードリーディングをして有用な対策を行うというのがとても素晴らしいと感じました。

半自動E2Eで手っ取り早くリグレッションテストを効率化しよう

これまでなかなか実現できなかった E2E テストの運用を、早く実現するためにどう行動したかという内容のセッションでした。
Done is better than perfect. という表現が頻繁に出てきましたが、時には完璧を目指すよりも手持ちの知識とツールを使って素早く実用レベルの仕組みを構築するという考え方が、とても良いと思いました。

また細かいつまずきを力技で実装するのではなく、テクニカルに問題解決していたのも素晴らしかったです。

naberyo

私は KMP プロジェクトに携わる Androidエンジニア として、KMP 関連のセッションを中心に聴きました。

今回紹介する2つのセッションの登壇者の皆さんとは、アンカンファレンスでも意見交換させていただき、大変勉強になりました!

ABEMAモバイルアプリがKotlin Multiplatformと歩んだ5年: 導入と運用、成功と課題

ABEMA モバイルアプリの開発で、KMP を使って iOS と Android のロジックを共通化する過程を説明し、5年間の運用を振り返るセッションでした。
①運用中の大規模サービスを KMP へ移行すること、② UI はネイティブ実装を維持すること という前提から、非常に難易度の高いプロジェクトだと感じました。

振り返りでは、KMP 導入のメリットだけでなく、長期運用を通じて見えてきた難点も紹介され、特に印象に残りました。
難点としては、導入コストやビルド時間、デバッグ難しさなどが挙げられ、KMP 導入に対する現実的な視点を得ることができました。

iOSエンジニアの可能性を広げる:ソニーがKotlin/Compose Multiplatformに挑戦した理由(あなたもぜひ)

Sony | Sound Connect の開発で KMP / CMP を採用した経験に基づき、どのように設計・実装し、どこまで iOS と Android を共通化するかを語るセッションでした

このアプリでは BLE や GPS などのデバイス機能にアクセスするため、一定のネイティブ実装が入ることを当初から織り込んでいたとのこと。
さらに、UI の大分部分を CMP で共通化しつつ、Apple Maps など一部の UI は ネイティブで実装することで、iOS の体験を損なわずにリリースできたそうです。

KMP / CMP を採用する際の設計判断や共通化の線引きの参考になる内容でした。

mii-chan

ハイパフォーマンスなGIFアニメ再生を実現する工夫

ハイパフォーマンスなアニメーション画像再生を行うためにどのような設計判断・工夫を行なったかに関するセッションでした。
パフォーマンスチューニングのアプローチで「ユーザーが何を不都合に考えているのか」「アプリが提供するコアな価値」といった視点から考え始めるというのが素晴らしいなと思いました。

また、フレーム数を減らす際に均一に間引くなどの様々な実践的テクニックも紹介されていて、どれもとても参考になりました。

Megabits

逆向きUIの世界〜iOSアプリのRTL言語対応〜

デジタルの世界でもあらゆる言語の特性を活かす工夫はとても大事なことだと思います。アクセシビリティもそうだし、コンテンツをできるだけ多くの人に、その人の情報の扱い方で届くことに関する知見を広げるのは素晴らしいです。

HyperCard温故知新

HyperCard よかったですね。Authoring という、誰でもインタラクティブなマルチメディアソフトを作成できる夢、今どうなっているでしょう。マルチメディアは死語になり、ショット動画が主流になって、世界は鮮やかになってるというけど、何か大事なものがなくなった気もします。

最後に

今年の iOSDC Japan 2025 でもたくさんのセッションを通して知見を深めたり、各社ブースの興味深いお話を伺うことができました。参加者の方との新たなつながりを作れたこともあり、参加できてよかったと実感しております。

最後に宣伝ですが、10/17 に恵比寿の STORES オフィスで、DroidKaigi 2025*2 と iOSDC Japan 2025 合同アフターイベントを開催します!

hey.connpass.com

一般の参加枠のほか、発表枠もあります!ぜひ奮ってご参加ください。




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