日立、IOWNを活用した「Borderless Data Share」を展示 長距離間でも完全同期が可能に – ケータイ Watch

 幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催中の総合技術見本市「CEATEC 2025」に、日立製作所(ブース番号:5H220)が出展している。テーマは「ドメインナレッジ×AIで進化し続けるLumada~ハーモナイズドソサエティをめざして~」。会場では、リアルタイムなデータ同期を実現する「Borderless Data Share」も紹介されていた。

 「Borderless Data Share」は、NTTのIOWNと日立のストレージ技術を組み合わせたサービス。企業の基幹システムにおいて、長距離間のデータ同期や事業継続性(BCP)の課題を解決するための検証が進められている。

 このシステムでは、2つの拠点間をNTTのIOWNで接続し、ストレージ同士を直接結ぶことで、データの完全なリアルタイム同期を実現する。

 従来、東京と大阪といった遠隔地間でデータを同期しようとすると、一般的な通信回線では遅延(レイテンシー)が発生し、完全な同期は困難だった。そのため、多くのシステムでは非同期コピーが採用され、データ不一致のリスクを抱えていた。

 NTTと共同で実施した検証では、IOWNを活用しストレージ層でコピー処理を行うことで、データの完全一致が確認され、リアルタイム同期が実現。世界初の取り組みとして、約600km離れた拠点間での同期に成功したという。

 従来の非同期システムでは、一方の拠点に障害が発生した場合、データの差分を確認し業務を再開するまでに、通常半日から1日程度の作業時間が必要だった。しかし、IOWNを繋ぐことで、データ欠損(データロスト)はゼロとなり、自動で切り替えができるようになる。

 現在、このリアルタイム同期システムはソリューションとして顧客に提供できる状態にあり、特に金融系、鉄道、電力など、システムを停止させることが許されない業種から高い注目を集めているという。また、これまでエンタープライズ領域で活用例の少なかったIOWNの、新たなユースケースとしても注目されている。




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