「AIエージェントキャッチアップ #52 – Agent Payments Protocol(AP2)」を開催しました

ジェネラティブエージェンツの大嶋です。

「AIエージェントキャッチアップ #52 – Agent Payments Protocol(AP2)」という勉強会を開催しました。

generative-agents.connpass.com

アーカイブ動画はこちらです。

www.youtube.com

Agent Payments Protocol(AP2)

今回は、エージェントエコノミーのためのオープンプロトコル「Agent Payments Protocol(AP2)」をキャッチアップしました。

AP2のGitHubリポジトリはこちらです。

github.com

今回のポイント

Agent Payments Protocol(AP2)とは

Agent Payments Protocol(AP2)は、エージェントエコノミーのためのオープンプロトコルです。

現在の決済システムは、人間がWebサイト上で直接「購入」をクリックすることを前提としています。

AIエージェントが決済を実施する場合、Authorization(承認)・Authenticity(真正性)・Accountability(説明責任)といった課題が生じます。

AP2は、このような課題を解決し、AP2に準拠した任意のエージェントが、AP2に準拠した任意の販売者と安全に取引できる共通言語を作ることを目指しています。

AP2の主要概念

AP2の主要概念をいくつか紹介します。

ap2-protocol.org

AP2に登場するロール

AP2に登場するロールは、以下のように整理されています。

  • ユーザー:エージェントに決済タスクを委任する個人
  • ユーザーエージェント(UA)・ショッピングエージェント(SA):ユーザーが対話するAIインターフェース(例: Gemini、ChatGPT)
  • 認証情報プロバイダー(CP):ユーザーの決済認証情報と決済手段を安全に管理する専門エンティティ(例: デジタルウォレット)
  • 販売者エンドポイント(ME):販売者の代わりに商品を紹介し、カートを交渉するインターフェースまたはエージェント
  • 販売者決済処理エンドポイント(MPP):決済ネットワーク用の最終的な取引承認メッセージを構築するエンティティ
  • ネットワークとイシュアー:決済ネットワークと、ユーザーの決済認証情報を発行したイシュアー

Verifiable Digital Credentials(VDCs)

AP2は、Verifiable Digital Credentials(VDCs)として以下の3種類を定義しています。

  1. カートマンデート(人間が介在)
  2. ユーザー署名インテントマンデート(人間が不在)
  3. ペイメントマンデート

人間が介在するケース、介在しないケースの両方ともカバーしています。

AP2のサンプルを動かしてみた

実際に、以下のAP2のサンプルを動かしてみました。

github.com

手順の通りコマンドを実行すると、Merchant Agent・Credentials Provider・Merchant Payment Processor Agent・Shopping Agentの4つが起動します。

ADK(Agent Development Kit)の開発UIが開くので、Shopping Agentを選択して、「コーヒーメーカーを購入したい」と会話を始めます。

商品を決定すると、認証方法や決済方法を確認されます。

認証方法や決済方法は、Credentials Providerが管理するようです。
Credentials Providerのソースコードを見ると、サンプルとしてコード中に決済方法が定義されています。

_account_db = {
    "bugsbunny@gmail.com": {
        "shipping_address": {
            "recipient": "Bugs Bunny",
            "organization": "Sample Organization",
            "address_line": ["123 Main St"],
            "city": "Sample City",
            "region": "ST",
            "postal_code": "00000",
            "country": "US",
            "phone_number": "+1-000-000-0000",
        },
        "payment_methods": {
            "card1": {
                "type": "CARD",
                "alias": "American Express ending in 4444",
                "network": [{"name": "amex", "formats": ["DPAN"]}],
                "cryptogram": "fake_cryptogram_abc123",
                "token": "1111000000000000",
                "card_holder_name": "John Doe",
                "card_expiration": "12/2025",
                "card_billing_address": {
                    "country": "US",
                    "postal_code": "00000",
                },
            },
              :

コード引用元:https://github.com/google-agentic-commerce/AP2/blob/b17ae16cb091278dae2e17af9a72f7b630e8ae11/samples/python/src/roles/credentials_provider_agent/account_manager.py#L24C1-L25C1

決済方法を入力して進めると、確認コードが求められます。

確認コードを入力すると、支払いが完了する様子を確認できました。

AP2のロードマップ

AP2のドキュメントには、ロードマップも記載されています。

ap2-protocol.org

現在は人間が介在するケースのみをサポートしていますが、今後は人間不在のケースにも対応していく予定のようです。
また、MCPやA2Aとの連携も検討されているようです。

次回のご案内

以上、今回は「Agent Payments Protocol(AP2)」をキャッチアップしました。

次回は「AIエージェントキャッチアップ #53 – Claude Agent SDK」ということで、Claude Code上で強力なエージェントを構築するためのツールコレクション「Claude Agent SDK」がテーマです!

generative-agents.connpass.com

ご興味・お時間ある方はぜひご参加ください!

また、その次の回以降のテーマも募集しているので、気になるエージェントのOSSなどあれば教えてください!




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