【現地レポート】Coalesce 2025:Opening Keynote “Rewrite” – Timee Product Team Blog

こんにちは!株式会社タイミーでアナリティクスエンジニアをしているひろろと、データエンジニアをしているつざきです。

本記事は、二人の共同執筆という形式でお届けします!

現在、私たちはアメリカ・ラスベガスで開催されているdbtの祭典「Coalesce 2025」に現地参加しています!
Coalesce 2025は、年に一度世界中のdbtユーザーが集まり、機能アップデートや事例発表、ハンズオンなどが行われるdbtの技術カンファレンスです。

当社ではデータ基盤にdbtを採用しているため、最新技術のキャッチアップを積極的に行っています。Coalesceへの参加もその一環として決まりました。
※アーキテクチャのついて詳しくはこちら

また、今回はカンファレンス参加支援制度「KaigiPass」を利用して参加しております!

速報を現地の熱気とともにお届けします。ぜひご覧ください。

Day 1

初日には有料のトレーニング中心で、夕方からカンファレンスのキックオフとウェルカムパーティーが開催されます。

キックオフでは近くにいる人との自己紹介タイムがあり、最初は焦りましたが、みんな技術者同士。英語が苦手でも温かく受け入れてもらえる優しい雰囲気でした。
Coalesceのイベント内容や会場案内などを中心に紹介され、これから始まるセッションへの期待が高まる良い時間でした。
(決してモーニングやランチが出ることに喜んでいるだけではありません笑)

キックオフの後は、ウェルカムパーティーの開催です!立食パーティーの形式で実施され、パートナーブースで話を聞いたり、他の来場者との会話を楽しんだりできます。

同じ日本人の参加者とも交流することができ、データに関する話題で盛り上がりました。日本開催のカンファレンスとは違い、日本人が少ない分、数少ない日本人同士で仲間意識が芽生え、より深い話ができたように感じます。

また、パートナーブースの方も熱気がすごく盛り上がっていました。日本で開催されるカンファレンスよりも、皆さんのテンションが高いです。実際にブースへ行ってみてデモをみせてもらうだけでもためになります。どのブースにもAIという文字が記載されているのが印象的でした!

Day2

初日はKeynoteや数多くのセッションに参加しました。セッションの数がとても多いため、吟味するのがとても大変です。また、ランチの時は同じテーブルに座った方が気兼ねなく話しかけてくるので、そこでの会話も貴重な時間でした!

Opening Keynote

Keynoteはホテル内のシアター会場で行われました。前方席に座ったのですが、両サイドのスクリーンにリアルタイム字幕が表示されていたため、後方の方が見やすかったと後で気づきました。

Opening Keynoteでは「Rewrite」というキーワードが繰り返し登場し、印象的でした。dbt LabsのCEO、Tristan Handy氏をはじめとした登壇者たちが、AI時代におけるデータワークの再定義について語りました。

まず大きな話題として取り上げられたのが、Fivetranとの合併についてです!前日の10/13に発表されたばかりのため、この場で話を聞けることを楽しみにしていたのが、歓声から伝わってきます。


その流れで呼ばれたのが、FivetranのCo-Founder & CEOであるGeorge Fraser氏。Fivetranのコネクタバグ修正の話から始まり、dbtに対して初めは懐疑的だったが変わっていったこと、dbtをAIが今後重要となっていく中で将来性や相互運用性が合併の背景としてあること、dbtへの破壊的な変更はないことなどをトーク形式で語っていき、dbtユーザーを安心させ一緒にdbtを盛り上げていきたいという気持ちがとても伝わる内容でした。

次に、Metric Flowついて大きな発表がありました。

MetricFlowは、dbt Labsが提供するメトリクス管理の製品です。今回、Apache 2ライセンスでのオープンソース化が発表され、会場から大きな拍手が起こりました。
「ベンダーロックインが懸念で導入に踏み切れなかった」という声も多く、まさにその課題に応える発表でした。

参考URL:https://www.getdbt.com/blog/dbt-labs-affirms-commitment-to-open-semantic-interchange-by-open-sourcing-metricflow

その次に語られたのが、dbt Fusion エンジンになります。

dbt Fusionエンジンは「Rewrite Developer Experience」をテーマに、開発体験の抜本的な刷新を目指した機能群として紹介されました。
実際のデモでは、従来より最大30倍のコンパイル高速化や、CTEプレビュー・カラムレベルのエラー検知などが披露され、歓声が上がる場面もありました。

機能についての詳細は公式ドキュメントをご覧ください。

SDF Labsの共同創業者で、dbt Fusionエンジンのプロダクトリーダーを務めているElias DeFaria氏によるライブデモでは、dbt Fusionエンジンがもたらす多くの開発支援機能が実際に披露され、会場からは何度も歓声が上がりました!

「Column rename propagation」など機能が発表される度にドヤ顔をしている担当者を近くで見られることは現地参加の醍醐味ですね!

特に、新たに発表された「Compare changes」は、変更を本番環境に適用する前にデータへの影響を確認することができます。本番にマージしてからデータがおかしくなってしまっていることに気がつく、といった肝が冷えるやらかしを削減できる素晴らしい機能だと思いました!

次に発表されたのは、State-aware orchestration です。

State-aware orchestrationは、Fusionの機能を活かしたインテリジェントな実行制御機能です。依存関係の入力データが変更されたモデルのみを再構築することで、無駄な再実行を防ぎます。
発表によると、この機能を有効化するだけで約10%のコンピュートコスト削減が見込まれるとのことです。(すごい!)

また、State-aware orchestrationのさらなる最適化として、Tuned configurationが紹介されました。

Tuned configurationでは、ユーザーは「Freshness要件の宣言」をすることができ、年間コンピュートコストを少なくとも29%削減できる見込みが示されました。

dbt内部ではこれらの最適化を導入することで最終的に64%もコストを削減できたとのことです。すごすぎる!

そして、最後に発表されたのがdbt Agentsです。

dbt Agentsでは4つの新しいサービスが発表されました。

サービス名  機能・コメント 状態
Developer Agent (開発者エージェント) 変更内容を記述するだけで、エージェントがそのタスクを実行し、SQLファイルの作成、テスト、ドキュメント化を自動で実行してくれるとのこと!アツイ! 近日公開
Observability Agent (可観測性エージェント) パイプラインの障害箇所を特定し、修正を支援してくれるエージェントです。これによってトラブルシューティングに費やす時間を削減しアラートの削減につながることが期待されます 近日公開
Discovery Agent (発見エージェント) カタログやドキュメントから承認済みのデータセットと定義を識別し、なぜそのデータが信頼できるのかを示します。ただの検索ではなく信頼性の高いデータを見つけるまでの時間が削減できるとのことです ベータ版
Analyst Agent (アナリストエージェント) 会話型分析(conversational analytics)の構築を支援し、複雑な質問に対してガバナンスされた回答を提供してくれるとのことです ベータ版

全てのAgentが、データ分析開発における「あったらいいな」を実現できる機能のように思えました。特に個人的には、Developer Agentは、テキストで指示するだけで自律的に実装を行ってくれる、おそらくDevinのような開発体験ができるのかなと感じていて期待が膨らみます。

まとめ

本記事では、Coalesce 2025の現地の様子とOpening Keynoteの内容を中心に紹介しました!
dbt LabsとFivetranの合併、Metric FlowのOSS化、Fusionエンジンによる高速化、State-aware orchestrationによるコスト最適化など、「Rewrite(書き換え)」というテーマにふさわしい革新が詰まったセッションでした。
今後、残りのセッションで各機能の詳細や導入事例を調査し、続報をお届けする予定です。ぜひご期待ください!




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