米クアルコム(Qualcomm)子会社のクアルコムテクノロジーズは、IoTデバイスを手掛けるArduino(アルドゥイーノ)を買収すると発表した。新製品「Arduino UNO Q」もあわせて発表された。
クアルコムでは、今年3月にAIとIoT関連の強化を目指してEdge Impulseを買収。また、同じくIoT関連のFoundries.ioも今春買収している。
今回の買収では、Arduinoのシンプルさや手頃な価格、そして3300万人以上というコミュニティに、クアルコムの保有する先端技術やAIなどを組み合わせて、開発者の生産性を大きく向上させるという。規制当局の承認などを経て正式に買収が完了する。なお、買収額など財務条件は非公開。
エッジ(端末)とIoTの開発者の生産性向上、AI学習の民主化、学生の参画促進という3つの目標も掲げられている。
Arduinoは買収後も組織として独立した状態になるとのことで、ブランドは今後も維持され、コミュニティ中心のオープンソースの精神も続く。また、Arduinoでは複数の半導体メーカーのマイクロコントローラー、マイクロプロセッサーを今後もサポートする。
Arduino UNO Q
新製品となる「Arduino UNO Q」は、クアルコムのDragonwingプラットフォームを採用し、「QRB2210」プロセッサーを搭載する。
2GBのメモリー(RAM)と16GBのストレージ(eMMC)を搭載するモデルが44ドル/39ユーロ(約6600円)で10月7日に注文受付が開始され、25日に出荷が開始される。一方、4GBメモリーと32GBストレージで59ドル/53ユーロ(約8900円)で、11月中に注文受付が始まり、年末までに出荷が開始される。
Arduino初のデュアルブレインボードとされ、スピーディなAI処理を実現するとうたう。Wi-FiやBluetoothをサポートする。
ここでいうデュアルブレインとは、Linux Debian対応のマイクロプロセッサーとリアルタイムマイクロコントローラーのこと。高い性能を誇るコンピューティングパワーと、リアルタイム制御を実現する。
開発環境として、リアルタイムOS( Zephyr OS)、Linux、Python、AIフローにわたって統合する「Arduino App Lab」も用意される。「Arduino App Lab」では今後、Qualcomm AI Hubのモデルも利用できるようにする。





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