
こんにちは、X Innovation (クロスイノベーション) 推進室の小久保です。
本記事では、すでに Chrome ウェブストアで公開している拡張機能を「別のアカウント(例:個人→組織)」へ移管する方法について解説します。
今回は拡張機能を移管しなければならなくなった経緯があり、その中で得られた知見をまとめました。
一般的には「新しいアカウントで同じ拡張機能を再度公開する」という方法が思い浮かぶかもしれませんが、単純に再アップロードすると審査でリジェクトされるリスクが高いです。
そこで、Google が公式に提供している「問い合わせフォーム」を用いて移管を依頼するのが、安全かつ確実といえます。
この記事では、問い合わせフォームによる移管手順を中心に、準備作業や運用のポイントもあわせて解説していきたいと思います。
拡張機能の移管が必要になるケースは、たとえば次のような場面が挙げられます。
- 個人アカウントで公開していた拡張機能を、企業アカウントやチームアカウントで正式に管理したい(今回の私のケース)
- プロジェクトの担当者が変わり、権限を移管する必要がある
- 運営会社が代わった
- セキュリティ上の観点から組織の統制を強化したい
しかし、公開中の拡張機能をそのまま「再アップロード」してしまうと、重複コンテンツ等の理由で審査落ちする可能性が非常に高いです。
実際に審査落ちしたときの内容

1. 公式の問い合わせフォームが推奨される理由
- Google は「既存の拡張機能を別アカウントで再公開する」ことを重複とみなし、厳しく審査する
- 問い合わせフォーム経由なら、拡張機能 ID が変わらず、オーナー情報だけを安全に移行できる
- ストア上のレビューやリンク先などが維持され、ユーザーへの影響を最小限に抑えられる
- 既にインストール済みのユーザーが拡張機能を入れ直す必要がない
一方で、再アップロードしてしまうと次のようなリスクがあります。
– 重複申請としてリジェクトされる
– 既存ユーザーにとっては別の拡張機能扱いになり、スムーズに移行できない
– 場合によっては両方の拡張機能やアカウントが違反扱いを受ける可能性がある
2. 問い合わせフォームを使った移管手順
注意点として、移行を行う拡張機能はストアに公開(限定公開含む)されている必要があります、ドラフトやアーカイブの状態では移行が行えません。
① 移行元アカウントでデベロッパーダッシュボードにログイン
URL:
https://chrome.google.com/webstore/devconsole
② 公開している拡張機能の一覧画面下部にある「お問い合わせ」を選択

③ 問い合わせフォームの入力





④ 移行元アカウントでGoogle へ連絡を行う
③のフォームからの申請後に届くメールに対して返信を行います。
場合によっては、追加質問への回答や書類の提出が求められます。

⑤ 移管完了
- 移行先アカウントにログインして、デベロッパーダッシュボード上に該当拡張機能が表示されているか確認

移行の確認 ポイント: 実際の所要日数は、問い合わせ内容や拡張機能の種類によって異なります。
今回のケースでは3日ほどでご対応いただきましたが、スケジュールには余裕を持たせておきましょう。
運営者情報の更新・ユーザー周知
- デベロッパーダッシュボード内の開発者名が変更される場合は、ユーザーが混乱しないようにリリースノートや公式サイトで案内
- 会社や組織の公式サイトに拡張機能へのリンクを載せている場合は、忘れずにドキュメントを更新
- プライバシーポリシーなどの記載内容が旧アカウントのままになっているはずなので、問題がないかチェック
- 問題があれば差し替えをして審査を提出する
セキュリティと権限の見直し
- 外部 API や検証用のキーを使っている場合は、新アカウントの管理下へ移管が必要か確認
- 組織のセキュリティポリシーに合わせて、権限設定を再点検
本記事では、Chrome ウェブストアで公開中の拡張機能を別アカウントへ移管する際の手順や注意点をご紹介しました。
特に、問い合わせフォームを通じた正式な手続きを踏むことで、拡張機能 ID やレビューをそのまま維持しながら移管できるメリットは非常に大きいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後、拡張機能の移管や運用に取り組む方の参考になれば幸いです。
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