Microsoft Loopと聞くと、多くの人が「また新しいコラボレーションツールか」と感じるかもしれません。また「どうせNotionの真似でしょ?」と一蹴されても仕方ないでしょう。
たしかに、一見するとチェックリストやテーブル、ページといった要素が並び、単なる情報整理アプリのように見えます。しかし、類似点はそこまでです。
Loopのページ、コンポーネント、タスクはすべて「動的」で、TeamsやOutlook、OneNoteといったほかのMicrosoftアプリ間でリアルタイムに更新されます。
スマートワークスペースはコンテンツを自動で整理し、柔軟なコンテンツブロックはどこにでもコピーして編集・共有できます。
さらに、AIアシスタントのCopilotとの連携により、アイデアを形にするスピードはほかのほとんどのツールを凌駕します。
【記事のポイント】
- Microsoft LoopはNotionの模倣ではなく、TeamsやOutlookとリアルタイムで同期する「動的なコンポーネント」が最大の強み
- 豊富なテンプレートとコンテンツを自動整理する「スマートワークスペース」機能で、プロジェクト管理の手間を大幅に削減できる
- AIアシスタント「Copilot」との連携により、企画書のドラフト作成や議事録の要約といった面倒な作業も大幅に効率化できる
仕事を加速させる、豊富なテンプレート

Loopの魅力はコラボレーション機能にありますが、意外と見過ごされがちなのが「ページテンプレート」の存在です。
Loopには、使いはじめたその瞬間から役立つ、便利なテンプレートが豊富に用意されています。プロジェクト計画や議事録から、ブレインストーミングやアイデア出しのスプリントまで、あらゆる用途のテンプレートが見つかります。
- プロジェクト計画テンプレート: タスクリスト、進捗トラッカー、優先度ラベルがすべて一箇所にまとまっています
- 議事録テンプレート: アジェンダ、要点、アクションアイテムが自動で構成され、参加者全員がリアルタイムで追記できます
- ブレインストーミングテンプレート: 表やタスクトラッカーといった動的なコンポーネントが組み込まれており、メールやTeamsなどほかのアプリに簡単に埋め込めます
もちろん、Notionにもすばらしいテンプレートライブラリがありますが、Loopのテンプレートは独立したアドオンというより、ワークスペースの自然な延長線上にある機能だと感じられます。
自由自在なページデザイン

Loopのもう1つの優れた点は、その自由度の高いページデザインにあります。
ページの構造を壊すことなく、セクションを移動したり、表のサイズを変更したり、コンテンツブロックを思い通りに配置したりできるのです。
その真価は「コンテンツブロック」にあります。チェックリスト、表、段落、画像、さらには投票のようなライブコンポーネントまで、各ブロックは独立して編集でき、ほかのページやアプリにコピーできます。
そして何より、ある場所でタスクを更新すれば、そのブロックが使われているすべての場所で情報が更新されるのです。
チームメンバーはリアルタイムでコメントを追加したり、タスクを割り当てたり、ブロックを並べ替えたりでき、プロジェクトの進行に合わせてページが進化していくため、堅苦しさや停滞感を感じないでしょう。
自動で片付くワークスペース

Loopのワークスペースは、プロジェクトを楽々と同期し続ける“生きたダッシュボード”として機能します。
新しいページやコンポーネントを追加すると、関連するワークスペースのビューに自動的に表示され、プロジェクトやチーム、文脈ごとに整理されます。
これらのワークスペースは、プロジェクトの進化に合わせて姿を変えます。関連性の高いページやコンポーネントが上位に表示され、最新の変更は即座に反映。古くなったり完了した項目は自然と背景に溶け込みます。
複数のプロジェクトを同時に抱えるチームにとって、この動的な整理機能は、混沌としがちな状況を明確で実行可能な段階まで引き上げてくれるでしょう。
アプリの垣根を越える「生きている」コンポーネント

Loopの最大の強みの1つは、Microsoftのエコシステム内でいとも簡単に連携できる点です。
表やチェックリスト、投票といったコンポーネントをTeamsのチャットやOutlookのメール、OneNoteのページに直接コピーペーストでき、それらはコピー先でもリアルタイムでインタラクティブな状態を維持します。
たとえば、Teams上でタスクのチェックボックスをオンにすれば、元のLoopページでも自動的に更新されます。
Loopページでブレインストーミングを行い、そこで出た重要なアクションアイテムをOutlookのメールに貼り付ければ、チームメンバーの進捗に応じてリアルタイムで状況が更新されていく様子が確認できます。
また、Loopは文脈もきちんと理解しています。
共有されたコンポーネントには元のプロジェクトやページへのリンクが付与されるため、共同作業者はそのコンテンツがどこに属するものかを常に把握できます。
この機能とスマートワークスペースが組み合わさることで、アプリをまたいだコラボレーションが可能になるだけでなく、驚くほど簡単になります。
Microsoftのツールに加え、JiraやTrello、Figmaといったサードパーティ製アプリとも連携できます。タスクやデザインファイル、プロジェクトのカードを直接埋め込んだりリンクしたりできるため、真に繋がった作業環境が手に入ります。
「Copilot」との連携

最後に、もしあなたが「Microsoft Copilot for Microsoft 365」のライセンスを持っているなら、まるでチームにもう1人メンバーが加わったかのような体験ができます。
Copilotは、Loopページ内で直接、ブレインストーミングや下書き、コンテンツの推敲を手伝ってくれる共同執筆者として機能します。
使い方は簡単で、Copilotボタンをクリックするか、「/」を入力して「ページコンテンツの下書き」を選択するだけ。
あとは「新製品ライン立ち上げのためのプロジェクト計画を立案して」のようにプロンプトを入力すれば、Copilotが表やタイムライン、アクションアイテムを含む構成案を生成してくれるのです。
もちろん、トーンや長さ、フォーマットを調整して、必要に応じて内容をさらに練り上げることも可能です。
Copilotとの連携は、長い議論やドキュメントを要約する際にも役立ちます。これにより、チームメンバー全員が膨大なメモを読み漁ることなく、認識を合わせることができます。
あなたや同僚がコンテンツを編集していくと、Copilotはその変更を追跡し、誰が何を追加・変更したのか、編集履歴を確認することも可能です。
Microsoft Loopは、ほかのコラボレーションツールほど話題になっていないかもしれませんが、機能を知れば、注目すべき存在であることがわかります。
たしかに、初めて使う人には少し学習が必要な部分があったり、サードパーティ製アプリの埋め込みが少し奇妙に感じられたりすることもあるはず。
しかし、そうした些細な点を差し引いても、Loopがもたらす価値はそれをはるかに上回るものでしょう。
著者紹介:Pankil Shah
Pankilは2021年からWindows、Android、iOSについて執筆。MakeUseOf、GuidingTech、TechWiserなどの評判の高いメディアに1,200本を超える記事を執筆している。
Original Article: Microsoft Loop is underrated and these features prove it by MakeUseOf
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