Denodo [1] – Denodo/データ仮想化とはなにか –

Data&AI事業本部ラボセンターラボグループの里見です。

今回はデータ仮想化製品であるDenodoについて紹介します。

Denodoとは

Denodoは様々なデータソースへのアクセスを論理的に統合するレイヤとして動作し、ユーザー側からのアクセスや権限管理等を容易にする製品です。

この論理的に統合することを「データ仮想化」と呼び、近年注目が集まっています。

1999年にア・コルーニャ大学のプロジェクトとして始まり、Denodoとして創業したのち2002年にv1がリリースされました。その後、着実に機能を増やし発展し続けています。

www.denodo.com

データ仮想化とは

従来型のデータ基盤と違い、異なる場所に存在する多種多様なデータを、物理的に移動・複製することなく一つの場所にあるかのように仮想的に統合し、リアルタイムにアクセス可能にする技術です。

従来型のデータ基盤ではETLやELTでデータを物理的にデータソースからコピー・移動するのに対し、データ仮想化ではデータソースを元の場所に置いたままデータを論理的に統合します。必要な時に必要な形式でデータにアクセスできるビューを作成してアクセスを行うことで、データを移動することに伴うコストやリスクを大幅に削減できます。

また、必要になったときにデータソースへアクセスしてデータを取得するため、常に最新のデータを提供することができます。

物理統合と論理統合の概念図

Denodoでできること

Denodoが提供する主要な機能

Denodoには大きく分けて以下のような機能があります。

  • データコネクタ:多くのデータソースへ接続し、接続情報を管理する機能
  • データカタログ:接続したデータの管理を行いデータの発見、検索を容易にする機能
  • データサービス:仮想的なデータベースとして動作したり、APIとして公開してBIツールやWebサービスからのデータ利用を容易にしたりする機能

データ仮想化技術を基盤として上記のような機能を実現しており、企業内のデータ統合/利用を加速できます。

豊富なコネクタによるデータの統合

Denodoは標準で200以上のデータソースにアクセスすることができ、データの統合を行うことができます。

例として以下のようなコネクタがあります。

  • RDBMS : (PostgreSQL/MySQL/Oracle等)
  • NoSQL : (MongoDB/Elasticsearch等)
  • DWH : (Snowflake/Databricks/BigQuery/Hive等)
  • File : (CSV/Excel/JSON/XML等)
  • サービス : (ServiceNow/Sharepoint等)

リアルタイムなデータアクセスと分析

Denodoによって統合されたデータは、TableauやPower BIなどのBIツールやAI/MLプラットフォームから直接利用可能です。その際にDenodoはデータを物理的に複製しないため、常に最新かつ正確なデータにアクセスできます。

この特徴により、全社横断でリアルタイムなデータを用いたダッシュボード作成や予測モデルの構築が容易になり、迅速なデータ活用や意思決定が可能となります。

データ統合のTCO削減

物理的なデータ移動や複雑なスクリプト開発が不要になるため、開発工数が削減されプロジェクト期間の短縮が可能です。

また、運用管理もシンプルになり、ITコスト全体のTCO(総所有コスト)を削減できます。

データソースとデータ基盤でのデータの重複がなくなるため、ストレージ容量の節約にも繋がり、ストレージコストの削減が期待できます。

データガバナンスとセキュリティの強化

Denodo上で統合されたデータに対して、一元的にセキュリティポリシーを適用できます。

ユーザーのデータに対するアクセス管理も一元的にDenodo上で行うことができ、データソースに対して個別に行う必要がないため運用が容易になります。

アクセス制御の粒度としては行レベル・列レベルのセキュリティ設定が可能です。

データがどこから来て、どのように加工され、どこで使われているかを示すデータリネージを可視化することができるので、データの信頼性と透明性を高め、監査への対応も容易になります。

Denodoが向いている用途

Denodoは、以下のような課題を抱える企業や組織に向いています。

  • 複数のシステムにデータが散在していて、データ統合に課題がある。
  • リアルタイムなデータアクセスや分析が求められている。
  • データガバナンスやセキュリティを強化したい。
  • クラウド移行を検討しており、オンプレとのハイブリッド環境でのデータ連携が必要。

まとめ

Denodoは、データ仮想化という技術を通してデータ活用やデータ管理において多くのメリットがある製品です。

機能制限がありますが無償版も存在していますので、興味のある方は試してみてください。

www.denodo.com

里見 悠太

里見 悠太(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Hadoop/NiFi周りを得意としています。
SparkやKafkaを使ったデータフローについて勉強中です。

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