Red Hat のソリューションアーキテクトの瀬戸です。
サマリー
Jakarta EE 11はJBoss EAP 8.2.zで対応の検討がされています。ただし、JBoss EAPのライフサイクルポリシーに照らし合わせるといくつかの制限事項が発生するため、対応するべきか不透明な状態です。Jakarta EE 11の採用を期待しているお客様はサポートチャンネルか最寄りの営業担当までご連絡ください。
今までのJBoss EAP 8.X
JBoss EAP 8.0はJakarta EE 10に準拠をし、 2024年2月にリリースされました。Red Hat Application Services 製品のアップデートとサポートポリシーに定義されているように、バグ修正とセキュリティパッチは、ライフサイクルのフルサポートフェーズ、メンテナンスサポートフェーズ、およびELS-1フェーズの期間に提供されます。JBoss EAP 8.0 GAの後、MicroProfile 6.1の機能と連携した互換性のある拡張パックとして、EAP XP 5.0 GAがリリースされました。
JBoss EAP 8.1は、引き続きJakarta EE 10に準拠をしながら、2025年9月にリリースされました。ubar-jarのサポートも開始し、より使いやすくなっています。詳細についてはJBoss EAP 8.1: エンタープライズ Java アプリケーションのモダナイゼーション – 赤帽エンジニアブログを参照してください。継続的なサポートをご利用いただくため、はやめのアップグレードをお勧めします。EAP XP 6.0は、EAP 8.1の互換拡張パックとして、2025年第4四半期にリリース予定です。お客様からご要望いただいた機能に加え、MicroProfile 7.0の機能を実装しています。
JBoss EAP 8.2
JBoss EAP 8.2は、Jakarta EE 10との互換性を維持しながら、2027年前半にリリースされる予定になっています。EAP XP 7.0 GAは、MicroProfile 7.1との互換性を持つ拡張パックとなり、EAP 8.2のリリース後3か月以内にリリースされる予定です。EAP 8.2を早めに試したいユーザー向けにベータ版が2026年後半にリリースされる予定です。
Jakarta EE 11
Jakarta EE 11仕様は2025年6月にリリースされたJakarta EE仕様の最新版です。Jakarta EE 11では互換性を破る変更が導入されており、Jakarta EE 10との完全な互換性はありません。これはJakarta EE 10仕様で作成されたアプリケーションがJakarta EE 11仕様の環境の下では同じ動作をしない可能性があることを意味します。
Jakarta EE 11にてどのような変更があったのかの詳細については2025年7月に行われたJakartaOne 2025 Japanで公開された資料を参照してください。
JBoss EAP 8.2.zでのJakarta EE 11
Jakarta EE 11はJakarta EE 10と互換性がないため、実装された場合はJBoss EAP互換性ポリシーが適用されない可能性があります。また、その場合、JBoss EAP 8.2 はJakarta EE10 モード (互換性のため) と Jakarta EE11モード (非互換性の可能性のため) という 2 つの EE モード メカニズムをサポートすることになります。
お客様の考慮事項とお願い
Jakarta EE(Java EE)アプリケーションサーバーの価値は安定した長期サポートです。そのため、Jakarta EE 11については実装しても使われない可能性があるのではないかと考えています。
そのため、Jakarta EE 11を使用したいお客様については、サポートチャネルを通じて Red Hat サポートにお問い合わせの上、関心があることをお伝え下さい。もしくは最寄りの営業担当までお伝え下さい。これによりRed Hat側でJakarta EE 11のニーズがあるかどうかを判断できるようになります。十分な要望があれば、JBoss EAP 8.2.z の今後のアップデート (パッチ) のリリースで機能パックとしてサポートを提供する予定です。
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