Windows Server デスクトップエクスペリエンスとServer Core比較してみた (1)

Windows Serverには「デスクトップエクスペリエンス」と「Server Core」の2つのインストールオプションがあります。

両オプションのインストールから基本的な項目の設定方法まで、どのような違いがあるのか比較して確認してみましたので。数回に分けて紹介できればと思います。

本記事では、両オプションの概要からインストール手順までを比較・紹介していきます。

概要

Windows Serverのインストールオプション

前述のとおり、Windows Serverのインストールオプションとして以下2つがあります。

  • デスクトップエクスペリエンス(※以下デスクトップ版と表記します)
  • Server Core(※以下Core版と表記します)

それぞれの特徴、違いは次でまとめますが、一番の違いはグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の有無です。

特徴と相違点

デスクトップエクスペリエンスの特徴
  • Windows 10/11のようなGUIが備わっている
  • GUIにより設定や管理が視覚的に行えるため、初心者やPowerShellやコマンドプロンプトでの操作に不慣れな管理者でも使いやすい
  • GUIベースのアプリケーションやツールが必要な場合に適している
  • Server Coreよりもインストールサイズが大きく、メモリやCPUの使用量も多い
  • 小規模環境やGUI依存環境で利用されることが多い
Server Coreの特徴
  • GUIがなく、基本的にPowerShellやコマンドプロンプトで操作する
  • GUIがないためインストールサイズが小さく、システムリソースの消費も少ない
  • GUIがないため攻撃対象が減り、セキュリティリスクが低減される
  • 管理にはリモートツール(Windows Admin CenterやPowerShell Remotingなど)を活用することが一般的で、スクリプトや自動化による運用が中心
  • 大規模環境等で高いセキュリティとパフォーマンスが求められるサーバーで利用されることが多い
相違点

上記特徴を含め、両者の相違点をまとめました。

カテゴリ デスクトップエクスペリエンス Server Core
ユーザーインターフェース フルGUI(Windows10/11と同様のデスクトップ環境) GUIなし(CLIベース、PowerShell中心)
操作性 マウス・ウィンドウ操作が可能で直感的 コマンドライン操作が中心、スクリプトによる管理
リソース使用量 高め(メモリ・CPUを多く消費) 低め(軽量で高速な動作)
セキュリティ GUI部分が攻撃対象になる可能性あり 攻撃対象が少なく、セキュリティリスクが低い
インストールサイズ 約10GB以上(構成により変動) 約5GB前後(最小限の構成)
対応アプリケーション GUI依存のアプリケーションも使用可能 CLI対応アプリケーションのみ
管理方法 ローカルGUI、リモートデスクトップ、MMCなど PowerShell Remoting、Windows Admin Centerなど
運用・保守 GUIでのトラブルシューティングが容易 ログやスクリプトによる診断が必要
学習コスト 低い(Windowsに慣れていればすぐ使える) 高め(CLIやスクリプトの習得が必要)
推奨用途 小規模環境、GUI操作が必要な場面 大規模環境、セキュリティ重視の場面

今回の検証環境

本記事の内容はWindows Server 2022 Standardにて検証した手順となります。

※物理サーバーではなく、仮想マシン上での確認となります。

OSインストール

仮想マシン等のセットアップが完了し、Windows OSのインストーラーが読み込まれてインストールウィザードが開始されたところから説明します。

OSインストールの手順については、インストールオプションを選択する場面を除き、デスクトップ版とCore版で大きく違いはありません。

  1. インストールする言語やキーボード設定を入力して「次へ」をクリックします。

  2. 「今すぐインストール」をクリックします。

  3. ここでインストールオプションを選択します。*1
  • デスクトップ版の場合、[Windows Server 2022 xxxx Evaluation(デスクトップ エクスペリエンス)]を選択して「次へ」をクリックします。*2

  • Core版の場合、[Windows Server 2022 xxxx Evaluation]を選択して「次へ」をクリックします。*3

  • ライセンス条項を確認し、問題なければ[同意します]にチェックを付けて「次へ」をクリックします。

  • 初期インストールのため「カスタム」をクリックします。

  • Cドライブに割り当てるディスクを選択して「新規」をクリックします。

  • Cドライブの容量の[サイズ:xxx MB]を入力して「適用」をクリックします。

  • Cドライブにあたるプライマリパーティションを選択して「次へ」をクリックします。

  • インストールが開始されるため、完了まで待ちます。

  • インストールが完了すると再起動の後、Administratorのパスワード設定に移ります。
    • デスクトップ版の場合はGUIにて設定します。目のアイコンを押すと入力したパスワードの確認が可能です。

    • Core版の場合はコマンドプロンプト上で設定します。入力したパスワードの確認はできません。

  • 設定したパスワードにてログインすると、ホーム画面が開きます。
    • デスクトップ版の場合、Windows 10や11のようなGUI画面が開きます。

    • Core版の場合は、コマンドプロンプト上で、サーバー構成ツール (SConfig)が展開されます。

    おわりに

    本記事では、Windows ServerのデスクトップエクスペリエンスとServer Coreの2つのインストールオプションについて、両オプションの概要からインストール手順までを比較しながら紹介しました。

    概要ではいくつか両オプションの違いを比べる内容を紹介しましたが、インストール手順についてはあまり差がないことが分かっていただけたのではないかと思います。

    実際、私は今回Core版の導入を検証する機会があるまで、デスクトップ版の対応経験しかありませんでしたが、インストールまでは特にオプションの違いによる影響を感じずに対応できました。

    次回記事では、基本的な設定項目における両オプションの設定方法を比較・紹介できればと思います。

    ご覧いただきありがとうございました!

    清田 一輝

    清田 一輝(日本ビジネスシステムズ株式会社)

    ハイブリッドクラウド部に所属しています。主にサーバ・ネットワークスイッチなどオンプレミス環境の導入作業に携わっています。

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